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電力機器Q&A 使い方・構造

Q21. H種乾式変圧器を過負荷で連続運転すると寿命はどうなりますか?

変圧器の寿命は

a・b:定数
θH:巻線最高温度
で表せます。定数のbは絶縁物によってきまる定数で、H種乾式変圧器の場合、寿命が半減する温度差を10℃としていますので

となります。
また定格時におけるθHは175℃とされ、20~30年程度の寿命があるとされています。一方、変圧器に一定負荷率Kをかけた場合の定常状態の巻線最高温度θHは

となります。
θa:等価周囲温度(℃)
θo:定格負荷の時の巻線の平均温度上昇値(℃)
θg:巻線最高温度と巻線平均温度との差(℃)

ここで以下の数値※θa=25℃ θo=120℃ θg=30℃を代入すれば

となります。
また巻線最高点温度θH を175℃で連続運転した場合の寿命をYoとし、ある負荷率の最高点温度θで運転した場合の寿命をYとしてY/Yoを求めると

となります。
上記計算により変圧器を各負荷率で連続運転すると仮定した場合の寿命低減比をシミュレーションした結果は表1の通りです。

表1 各負荷率における寿命低減比のシミュレーション結果
負荷率K(%) 巻線最高温度θH (℃) 寿命低減比 Y/Yo
100 175 1.0(基準)
105 187 0.44
110 200 0.18

※日本電機工業会技術資料 JEM-TR237「モールド変圧器の過負荷耐量」より。

尚、H種乾式変圧器の寿命を著しく損なわない過負荷運転については、日本電機工業会技術資料(JEM-TR237「モールド変圧器の過負荷耐量」)に記載されておりますので、ご参照ください。

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