Q20. 油入変圧器を過負荷で連続運転すると寿命はどうなりますか?
変圧器の寿命は
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a・b:定数
θH:巻線最高温度
で表せます。定数のbは絶縁物によってきまる定数で、油入変圧器の場合、寿命が半減する温度差を6℃としていますので

となります。
また定格時におけるθHは95℃とされ、20~30年程度の寿命があるとされています。一方、変圧器に一定負荷率 Kをかけた場合の定常状態の巻線最高温度θHはθH=θa+θo+θgとなります。
θa:周囲温度(℃)
θo:油の最高温度上昇値(℃)
θg:巻線最高温度と油の最高温度との差(℃)

θon:定格負荷時のθo
θog:定格負荷時のθg
R:定格負荷時の負荷損と無負荷損の比
m:冷却方式による定数で0.8とする。
n:冷却方式による定数で0.8とする。
で表せます。また巻線最高点温度θHと95℃で連続運転した場合の寿命をYoとし、ある最高点温度θで運転した場合の寿命をYとしてY/Yoを求めると

となります。
θon:50℃
θog:20℃
R:5
θa:25℃(等価周囲温度)
上記計算により、変圧器を各負荷率で連続運転すると仮定した場合の寿命低減比をシミュレーションした結果は表1の通りです。
| 負荷率 K(%)  | 
油の最高温度上昇値 θo(℃)  | 
巻線最高温度 θH (℃)  | 
寿命低減比 Y/Yo  | 
|---|---|---|---|
| 100 | 50 | 95 | 1.0(基準) | 
| 105 | 53 | 100 | 0.56 | 
| 110 | 57 | 105 | 0.32 | 
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