ホーム>製品情報>電力機器>電力機器Q&A>その他>Q4. 混触防止板付変圧器とはどんなトランスですか?

電力機器Q&A その他

Q4. 混触防止板付変圧器とはどんなトランスですか?

一般に低圧電路は、変圧器の内部故障や電線の断線などの事故の際、高圧電路と接触し低圧電路に高圧が侵入し危険となるおそれがあります。このような場合の保護のため、高圧電路または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点(300V以下の低圧電路で中性点の接地が取れない場合は低圧側の1端子でもよい)にB種接地工事を行うことが規定されています。(電技24条)

しかし、低圧電路に接地工事をすることによって逆に不都合を生じる場合や、300Vを超える低圧電路に中性点が取れない場合は、高圧巻線と低圧巻線との間に金属製の板を設け、変圧器内部故障の際に高圧が直接低圧巻線に侵入しない構造をもった混触防止板付変圧器を使用し、低圧電路を非接地とすることが出来ます。(電技24条)

この場合の混触防止板には、B種接地工事(高圧電路と低圧電路を結合する場合の接地線の太さは2.6mm以上)を、また外箱にはA種接地工事(太さ2.6mm以上の接地線)を施すことが規定されています。(電技17条)

このため原則としては混触防止板には専用接地端子が必要となりますが、内線規定(JEAC 1350-12)において、同じ個所に2種類以上の接地工事を施す場合は、接地抵抗の低い方の接地工事で他の接地工事を兼用することが認められています。また、混触防止板と外箱の共用接地でもとくに不都合がないため、一般的には混触防止板の接地は変圧器の外箱の接地端子と兼用し、A種及びB種どちらかの低い接地抵抗で接地工事を行う方式が取られています。

その他、混触防止板は静電的なシールドの効果があり、高圧側より侵入するサージ電圧を小さくする効果がありシールド変圧器として使用される場合もあります。