微量PCB混入変圧器とは
微量PCB混入変圧器とは、本来意図的にPCBを使用した油入り変圧器ではなく、絶縁油製造時・運搬時等において微量のPCBが絶縁油に混入したと思われる変圧器のことをいい、微量のPCBによって汚染された絶縁油に由来する微量PCB汚染廃電気機器に該当します。
なお、この微量PCB汚染廃電気機器と、高濃度PCBを使用した絶縁油に由来するPCB濃度が5000mg/kg以下の低濃度PCB含有廃棄物が低濃度PCB廃棄物に該当します。(詳しくは PDF こちらをご覧下さい。)
弊社変圧器への微量PCB混入に関する調査結果については、下記資料をご参照ください。
微量PCB混入に関する弊社見解
上記報告書に記載の通り、弊社における混入の可能性、納入後の機器における混入の可能性及び弊社が購入する絶縁油そのものへの混入の可能性のいずれも否定できませんでしたが、この中で特に弊社が購入する絶縁油そのものへの混入の可能性が高いという推測に至りました。
ただし具体的にどの段階でPCBが混入したかの原因の究明及び機器や製造年代の特定はできず、弊社としましては1989年以前は絶縁油中のPCB不含有の確認を実施していなかったこと、1990年以降は変圧器製造工程を適正に管理(PCB不含有(0.5mg/kg以下)を確認)していることを踏まえて、以下を微量PCB混入有無に関する弊社見解と致します。
- 1.1989年以前製造の油入り変圧器:PCB混入の可能性が否定できません
- 2.1990年以降製造の油入り変圧器:弊社出荷段階におけるPCB混入はありません
※弊社見解書はこちらです。必要な場合は印刷をしていただき、ご使用下さい。
なお、経済産業省・環境省により設置された低濃度PCB汚染物対策検討委員会の「原因究明調査報告書」(2004年5月10日発表)によると、弊社の調査結果と同様に、微量PCBの絶縁油への混入は再生油の使用に端を発する広範囲な汚染であること、汚染原因は絶縁油のライフサイクル全般にわたり複数存在することが明らかになっています。
お客様に注意していただきたい事項
- ①所有している変圧器が微量PCB混入の可能性を否定できない変圧器に該当する場合は、使用を終えた段階で速やかに油の分析をしていただき、微量PCB混入の変圧器かどうかを確認する必要があります。(注1)
油の分析結果による判断(注2):
■PCB濃度が0.5mg/kgを超過する場合:微量PCB混入変圧器に該当します。
■PCB濃度が0.5mg/kg以下の場合:微量PCB混入変圧器に該当しません。 - ②使用中の変圧器に微量PCB混入が判明した場合は「電気事業法に基づく電気関係報告規則」により、設置している場所を管轄する経済産業省 産業保安監督部長に報告する必要があります。
- ③使用中の微量PCB混入が判明した変圧器の使用を終えた場合は、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特別措置法)」により届出(都道府県知事又は政令市長)を行うとともに、処理するまでに適正な保管(注3)が必要となります。
- ④保管中の変圧器に微量PCB混入が判明した場合は「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特別措置法)」により届出(都道府県知事又は政令市長)を行うとともに、処理するまでに適正な保管が必要となります。
- ⑤PCB廃棄物は平成39年3月31日までに処理を完了する義務があります。微量PCB混入変圧器の処理が開始(注4)されましたので期間内に無害化処理認定施設において適正処理をお願い致します。
- ⑥環境省は PDF 「今後のPCB廃棄物の適正処理推進について」(PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会報告書)(注5)における留意点(環廃産発第120921306)」の中で、「日本電機工業会の加盟メーカーが1994年以降の製造した変圧器等で①絶縁油に係るメンテナンス等が行われていないこと、②汚染のない油への入れ替え等が行われていること、の2点を確認できれば、汚染がないと言える」と述べています。 しかし、弊社では1990年以降は適正な管理を行っていますので、それ以降に製造した変圧器は出荷段階においてPCBは含有されていません。
- 注1:PDF 環境省通告 環廃産発第051219001号 低濃度PCB汚染物の届出等の徹底について
- 注2:PDF 環境省通告 環廃産発第040217005号 重電機器等から微量のPCBが検出された事案について
- 注3:保管方法については「PCB使用変圧器・微量PCB混入変圧器及び微量PCB混入の可能性が否定できない変圧器の保管等について」を参照
- 注4:微量PCB混入の変圧器の処理は、廃棄物処理法の無害化処理認定制度に基づき、処理が開始されており、環境省から情報公開されています。詳しくは「環境省 廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設について」をご参照ください。
- 注5:「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」
- ※「PCB使用及び微量PCB混入変圧器の判別方法と対応の流れ(フロー図)」を用意しておりますので、ご参照ください。