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Q2. モールド変圧器の温度計の警報設定値について教えてください

変圧器は、負荷の増減により、温度上昇も増減します。
そして、長期に安定して運転する為には、変圧器は使用されている絶縁物の許容温度以下で運転する必要があります。またその為には、絶縁物に隣接する巻線温度を管理する必要があります。
ところが、モールド変圧器では巻線温度を直接測定することが出来ない為、下記の2通りの方法で測定しています。
警報接点指針の設定値としては、ダイヤル温度計の全負荷時温度上昇値を各々測定事例より求め、最高周囲温度40℃の場合に、全負荷時に警報接点が動作しない範囲で余裕を見た温度としています。

①二次コイル表面温度測定

  1. 測定方法:二次コイル表面に感温部を接触させて測定
  2. 警報設定値
    最高周囲温度(40℃)+ダイヤル温度計の測定温度上昇値(80℃程度)+α=130℃
  3. 主な適用機種
    1)容量:三相…2000kVA以下、単相…500kVA以下
    2)電圧:一次側…6kV級以下/二次側…低圧電圧
    ※コイル形状や特別な構造(クレーン搭載用等)で、二次コイル表面での測定が
    困難な場合を除く。

②一次二次コイル間空気温度測定

  1. 測定方法:コイルが発熱することにより暖められた空気を媒体として測定
  2. 警報設定値
    最高周囲温度(40℃)+ダイヤル温度計の測定温度上昇値(50℃程度)+α=100℃
  3. 主な適用機種
    電圧:一次側が特別高圧の場合、一次二次とも高圧の場合
    ※①の方法が困難な場合に適用する。

なお、実際の運転に当たっては、警報の目的に合わせて設置場所の周囲温度や負荷率により、設定値を決定していただくことをお勧めいたします。
また、警報が動作した場合には、電流から負荷状態を正確に調査し、運転状態を確認して下さい。
※10年以上前の製品につきましては別途ご相談下さい。