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電力機器Q&A 使い方・構造

Q29. 変圧器の力率はどのように考えればいいですか?

1.無負荷時の力率
変圧器を無負荷で一次側を電源に接続すると、定格電流の数%の一次電流(無負荷電流)が流れます。この電流は鉄心の磁束を作る無効成分(磁化電流Iμ)と、鉄心の鉄損(無負荷損)として失われる(有効成分Iw)に分けられ、この位相関係θoが励磁電流の力率とみなされます。一般的にこの力率は非常に悪いので進相コンデンサが使われる場合がありますが、無負荷電流は鉄心のヒステリシス現象によって歪波電流になるため、基本波は除くことができるが、高調波電流分を除くことは不可能です。

弊社の汎用変圧器の例では、3相変圧器10~20%、単相変圧器30~50%程度です。

2.負荷時の力率
負荷時の変圧器の一次電流は、励磁電流に一次負荷電流が重畳することになります。しかし、励磁電流は定格一次電流に対し1~6%程度なので、合成電流はほぼ負荷電流とみなされ、力率も負荷電流の力率にほぼ等しくなります。