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電力機器Q&A 使い方・構造

Q13. スコット変圧器は使用上どのような注意をすればいいですか?

使用目的
スコット結線は、三相より二相への相変換として考案された結線です。三相電源に単相負荷を接続した場合、三相電源側での負荷電流の不平衡が問題となりますが、単相負荷が二系統に分割出来る場合は、スコット結線変圧器を使用することにより、三相電源側をバランスさせることが出来ます。そのような理由から、最近では工場・ビル等で三相非常用発電機に接続され、単相二系統負荷への給電用としてよく使われています。

使用上の注意
スコット結線変圧器を使用するにあたって、次の点に注意する必要があります。

  1. スコット結線変圧器の二次側の2つの出力端子には、それぞれ単独の単相負荷A、Bを接続する必要があります。(結線図参照)
  2. スコット結線の二次側の2つの出力端子を並列接続(1回路にまとめる)することは、変圧器が焼損するためできません。
  3. スコット結線変圧器の一次側(三相側)を平衡させるためには、単相負荷容量A=Bの条件が必要です。
    A=Bの条件が満たされなくても変圧器に影響はありませんが、その分三相側が不平衡電流となります。(詳細ベクトル図参照)
  4. スコット結線変圧器の定格容量PはP=A+B、A=Bとして設計されます。従って、二次側で使用出来る一相あたりの最大容量は定格容量Pの1/2となります。

ベクトル図及び電流
スコット結線のベクトル図及び、一次・二次電流について

として求められます。(※励磁電流を無視するものとする。)