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PCBを含む電気機器の規制

PCBを含む電気機器の規制

使用中機器の規制 経済産業省 電気事業法
使用を終えた
電気機器(廃棄物)の規制
環境省 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という)
ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下「PCB特別措置法」という)

1. 高濃度のPCBを使用した電気機器(PCB使用電気機器)の規制

高濃度のPCBを使用した電気機器(PCB使用電気機器)の使用及び保管については、法令等によって次の様に規制されています。

(1) 使用している(稼働中)又は予備として保管している電気機器

(経済産業省 電気事業法、電気関係報告規則他)

①電路への施設禁止
電気事業法に基づく「電気設備に関する技術基準を定める省令」第19条では、 PCBを含有する絶縁油(絶縁油に含まれるPCBの量が試料1kgにつき0.5mg以下である絶縁油以外のもの)を使用する電気機械器具を新しく電路に施設することを禁止している。 [PCB使用電気機器の取扱いについて(抜粋)平成12年7月通商産業省機械情報産業局]
ただし、従来から使用中のものはこの適用を除外されるが、移設及びPCBを使っていないものをPCB使用のものに取り替えることなどは禁止している。[附則(平成9年通商産業省令第52号)]

②使用及び廃止に係る報告の義務
電気事業法に基づく「電気関係報告規則」が平成13年10月15日に改正され、現在使用されているPCBを含有する絶縁油を使用する電気工作物(以下「PCB電気工作物」という。)に関して以下の報告が必要となりました。

  • A.使用報告(電気関係報告規則第4条の表中第15号の2)
    現にPCB電気工作物を使用している個人又は法人は、PCB電気工作物の使用に係る事項(設置者氏名、名称、住所、事業場の名称、所在地、電気工作物の種類、定格、製造者名、型式、製造年月、設置年月等)についてPCB電気工作物の設置場所を所轄する産業保安監督部長に報告することが義務づけられています。
  • B.変更報告(電気関係報告規則第4条の表中第16号)
    Aの事項に変更があった場合には、変更に係る事項について、PCB電気工作物の設置場所を所轄する産業保安監督部長に報告することが義務づけられています。
  • C.廃止(使用中止)報告(電気関係報告規則第4条の表中第17号の2)
    使用していたPCB電気工作物の使用を中止した(電路から外した)個人又は法人は、PCB電気工作物の廃止(使用中止)に係る事項として、機器の特定のために必要な事項や廃止(使用中止)の理由(損壊、焼損の場合にはその後の処置を含む)等を、PCB電気工作物の設置場所を所轄する産業保安監督部長に報告することが義務づけられています。

原子力安全・保安院は、「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領」(平成16・03・26原院第9号 NISA-237c-04-1)を定めていました。

その後、上記実施要領は廃止され、現在、商務流通保安グループが「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領(内規)」(平成29年4月28日付け)を発行しています。

「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領」が出るまでの経緯については、下記[補足]を参照ください。

(2) 使用を終えた電気機器(廃棄機器)

(環境省 廃掃法、PCB特別措置法他)

①保管の義務
廃掃法では、 使用済みのPCB使用電気機器等は、特別管理産業廃棄物となり(廃掃法第2条第5項及び廃掃法施行令第2条の4第5項)、 所定の方法で保管が義務づけられています。
②特別管理産業廃棄物管理責任者の設置義務
廃掃法では、廃PCB等(PCB含有絶縁油など。)又はPCB汚染物(PCB使用電気機器を含む。)を保管している事業者は、特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。(廃掃法第12条の2第8項)
③都道府県知事等への報告義務
PCB汚染物等を保管している事業者は、その保管の状況について、都道府県知事又は政令市長に届出る必要がある。(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下「PCB特別措置法」という)(平成13年6月22日制定 第8条))

尚、この法の制定に伴い、従来行われてきた旧(財)電気絶縁物処理協会への使用済みPCB使用電気機器の保管等の届出は廃止となり、全て都道府県知事等へ届出ることとなっています。
また、報告事項については自治体により扱いが異なっている場合がありますので、各都道府県等の所管の部署に確認する必要があります。

2. 微量のPCBに汚染された絶縁油を含む電気機器(微量PCB汚染電気機器)の規制

微量のPCBに汚染された絶縁油を含む電気機器(微量PCB汚染電気機器)の使用及び保管については、電気事業法、廃掃法、PCB特別措置法、いずれも、高濃度のPCBを使用した電気機器(PCB使用電気機器)と同様です。

(1) 使用している(稼働中)又は予備として保管している電気機器

原子力安全・保安院は、「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領」(平成16・03・26原院第9号 NISA-237c-04-1)を定めていました。その後、上記実施要領は廃止され、現在、商務流通保安グループが「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領(内規)」(平成29年4月28日付け)を発行しています。

「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領」が出るまでの経緯については、下記[補足]を参照ください。

(2) 使用を終えた電気機器(廃棄機器)

電気絶縁油等の油を使用した電気機器に関しては、

  • 低濃度PCB汚染電気機器である可能性を完全には否定できないと判断された場合には、機器の使用を終えた際に絶縁油中のPCBの濃度を測定し、PCB廃棄物に該当するか否かについて確認すること。
  • PCB廃棄物に該当しないことが確認されるまでの間は、当該機器をPCB廃棄物と同様に適正に保管すること。
  • PCB廃棄物に該当することが確認された場合には、廃棄物処理法第12条に基づきPCB廃棄物として適正に保管等の処理を行うとともに、PCB特別措置法第8条に基づき都道府県知事又は政令市長に対して保管等の届出をしなければならない。 等が定められている PDF (平成17年12月19日付け環廃産発第051219001号)

微量PCB汚染電気機器のPCB濃度測定、届出、収集・運搬、処理等の規制については、経済産業省、環境省のホームページ等を参照願います。

PDF 環廃産発第040217005号(平成16年2月17日)の第3項には以下の記載があります。 「廃重電機器等について、機器毎に測定した当該廃重電機器等に封入された絶縁油中のPCB濃度が処理の目標基準である0.5mg/kg以下であるときは、当該廃重電機器等は、PCB廃棄物に該当しないものであること。」

[補足]

「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領」が出るまでの経緯

平成15年11月21日に(社)日本電機工業会より電気機械器具について、平成16年2月12日にケーブルメーカー等9社よりOFケーブルについて、当該電気工作物に使用される絶縁油に低濃度のPCBが混入している可能性が否定できない旨、それぞれ経済産業省へ報告され、これを踏まえ、経済産業省は、PCBを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに安全確保の観点から、平成16年3月1日付けで電気関係報告規則を一部改正し、使用している又は予備として保管している電気機器において新たにPCBの含有(低濃度PCB汚染電気機器を含む)が判明した場合、遅滞なく届け出ることとした。以上を受け、原子力安全・保安院は、「PCBを含有する絶縁油を使用する電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領」(平成16・03・26原院第9号 NISA-237c-04-1)を定めました。