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電力機器Q&A その他

ご質問内容

  • Q1.油入変圧器の温度はどの程度まで大丈夫ですか?

    変圧器は運転中に温度・湿度および酸素などのため、その絶縁物が次第に劣化します。そしてそれが進行すると、外雷・内雷などの異常電圧、あるいは外部短絡の際の電磁機械力などの電気的・機械的異常ストレスを受けた場合、破壊する危険が増加します。
    変圧器が運転に入ってから、この危険が非常に高まった時点までを変圧器の寿命と呼びますが、この時点を正確に検知することは非常に困難であって、現段階ではまだその具体的方法が確立されていません。しかしながら、変圧器の寿命はその最高点温度によって最も大きな影響を受けます。
    絶縁物の寿命は一般に次式で表されます。

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  • Q2.電圧降下はどのように計算すればいいですか?

    回路に電流が流れると変圧器、ケーブル、リアクトルなどに電圧降下が生じ、一般に受電端の電圧が低下します。この値は次のように計算されます。

    1. オーム値による方式

    3φのとき ≒ √3 I(R COS θ+Q SIN θ) (V)
    1φのとき ≒ 2 I(R COS θ+Q SIN θ) (V)
      R:1線当りの抵抗(変圧器含む) (Ω)
      Q:1線当りのリアクタンス(変圧器含む) (Ω)
      I:負荷電流 (A)
      COS θ:力率  

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  • Q3.JEC仕様変圧器とJIS仕様変圧器の違いについて教えてください

    JEC規格は電気学会電気規格調査会で制定された規格で、変圧器の場合はJEC-2200-2014にあたります。
    本規格は、特殊変圧器を除く3kVA以上数百万kVAに及ぶ電力変圧器に適応され、主として用語の定義、試験項目及び方法、端子記号などについてまとめられているもので、海外ではアメリカ規格(ANSI)、国際規格(IEC)、イギリス規格(BS)に相当します。

    他方JIS(日本工業規格)は、工業標準化法に基づいて制定される標準化に重きを置いた国家規格です。汎用変圧器はJISC4304:2013(配電用 6kV油入変圧器)、JISC4306:2013(配電用 6kVモールド変圧器)にあたり、変圧器の定格容量、一次二次電圧、結線等の仕様が標準化された特定の機種のみに適応されます。

    従って弊社では、一般汎用変圧器の場合、JIS機種に該当するものはJIS適応品として、JIS機種から外れる機種はJEC適応品として対処致しますが、設計・製作の本質的なものは同じです。

  • Q4.混触防止板付変圧器とはどんなトランスですか?

    一般に低圧電路は、変圧器の内部故障や電線の断線などの事故の際、高圧電路と接触し低圧電路に高圧が侵入し危険となるおそれがあります。このような場合の保護のため、高圧電路または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点(300V以下の低圧電路で中性点の接地が取れない場合は低圧側の1端子でもよい)にB種接地工事を行うことが規定されています。(電技24条)

    しかし、低圧電路に接地工事をすることによって逆に不都合を生じる場合や、300Vを超える低圧電路に中性点が取れない場合は、高圧巻線と低圧巻線との間に金属製の板を設け、変圧器内部故障の際に高圧が直接低圧巻線に侵入しない構造をもった混触防止板付変圧器を使用し、低圧電路を非接地とすることが出来ます。(電技24条)

    この場合の混触防止板には、B種接地工事(高圧電路と低圧電路を結合する場合の接地線の太さは2.6mm以上)を、また外箱にはA種接地工事(太さ2.6mm以上の接地線)を施すことが規定されています。(電技17条)

    このため原則としては混触防止板には専用接地端子が必要となりますが、内線規定(JEAC 1350-12)において、同じ個所に2種類以上の接地工事を施す場合は、接地抵抗の低い方の接地工事で他の接地工事を兼用することが認められています。また、混触防止板と外箱の共用接地でもとくに不都合がないため、一般的には混触防止板の接地は変圧器の外箱の接地端子と兼用し、A種及びB種どちらかの低い接地抵抗で接地工事を行う方式が取られています。

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  • Q5.灯動共用変圧器とはどのようなトランスですか?

    従来は動力負荷には三相変圧器、電灯負荷には単相変圧器がそれぞれ独立して設けられていましたが、最近では省スペース、省エネルギーの観点から1台の変圧器より動力負荷と電灯負荷に供給できる灯動共用変圧器が多く用いられるようになりました。
    この変圧器は異容量三角結線で、三相容量および単相容量の負荷分担があらかじめ指定され固有の負荷分担曲線となり、それに合うように単相負荷に供給する相の巻線容量が他の2相のものより大きく製作されています。この結果、単相負荷が少ない時は三相負荷が多く使用出来、逆に三相負荷が少ない時は単相負荷が多く使用出来るなどの広い融通性が特長です。
    反面、各巻線の負荷力率が異なるため、電圧降下に差異を生じ、線間電圧に不平衡を生じる欠点があります。

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  • Q6.変圧器の二次巻線の接地はどうすればよいでしょうか?

    変圧器の二次巻線の接地を行う場合、変圧器の受電電圧、二次電圧、結線によって異なります。

    1. 一次電圧が高圧又は特別高圧で、二次電圧を低圧に降圧して使用する場合。
    この場合、変圧器の内部故障、一次配電線の断線事故等により、高圧電路と低圧電路が接触し、低圧電路に高圧が侵入し危険となる。電気設備の技術基準の解釈の第24条に定められており、その内容をまとめたものが下表になります。

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  • Q7.混触防止板付変圧器の接地工事種類や、接地線太さはどうすればよいでしょうか?

    電気設備技術基準第24条より、混触防止板の接地工事種類は、B種接地工事(EB)です。
    また、混触防止板に施される接地線は、引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線になります。

    詳細説明は以下の通りになります。

    通常EBの接地線の太さは、内線規定(JEAC 8001)の付録1-6「接地線の太さの算定基礎」にて負荷電流に合わせて定められております。
    しかし、混触防止板に流れる事故電流は、非接地式(6.6kV)電路でおよそ10A程度であることから、接地線の太さは、電気設備技術基準第17条で決められている太さのままで、良いことになります。
    なお、同第17条では、接地線の種類は以下のように定められています。

    第17条(抜粋)より、
    A種接地工事(EA) :
    引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線
    B種接地工事(EB) :
    引張強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線
    (高圧電路または解釈第108条に規定する特別高圧架空電路線の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は、引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)

    よって、変圧器に施されるEBの接地線は、引張強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線で良いことになります。

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