過去の延長線上のものの考え方や行動を打破し、革新的に前向きに行動していく。日々新しい分野に挑戦して新技術を開発し、時代の要請に応える。柱上変圧器からスタートし、今日の発展に至る製品開発の歴史とともに、ダイヘンの「創業の精神」、「経営理念」をダイジェスト。
ダイヘンという会社の核心をスピーディに読み解いてみよう!
設立時の製品
1919年、創業者 小林愛三は、変圧器の専門メーカとして柱上変圧器の生産を開始。当時にはなかった単一製品の大量生産という特化戦略により、大胆な低価格化を実現。1930年には国内の柱上変圧器需要の過半数を供給するまでに急成長しました。
第一号アーク溶接機
「電気溶接機は、変圧器と構造的、材料的に共通点がある」という点に着眼し、現在の溶接・接合事業部の原点となったアーク溶接機を開発、販売を開始。当時、電気溶接機の需要が多かった造船業界への納入を足がかりに溶接・接合事業部はダイヘンの第2の柱に成長していきます。
1950年代から1960年代にかけて、ダイヘンは従来の柱上変圧器専門メーカから、総合配電機器メーカへと大きく事業を拡大。今日の配電システム事業部の基盤が整備されました。
電力会社各社が、将来の電力需要の増加に向けて500kV級の送電システムの検討を進める中、ダイヘンも三重工場を新設し、超高圧大形変圧器の製造を本格化しました。
多関節アーク溶接ロボット「ソアーK」
ダイヘンでは1970年代後半からマイクロプロセッサーの将来性に着目し、技術研究を積極的に実施。産業用ロボット普及元年といわれる1980年5月、そうした研究の成果として誕生したダイヘンの第1号アーク溶接ロボット「ソアー」シリーズ。国内自動車業界の工場自動化の推進に大きく貢献しました。
新産業分野の業容拡大が進み、変圧器以外の売上高が40%を超える中、従来から事業活動において広く用いられ、通称としても浸透していた「ダイヘン」を新社名に採用。
プラズマ発生用高周波電源
微細化が進む半導体製造プロセス。ダイヘンでは、溶接機で培ったインバータ技術の応用により、ウエハ上に成膜加工するためのエネルギー源として安定したプラズマを発生させる高周波電源システムを開発。現在のプラズマシステム事業部はここからスタートしました。
クリーン搬送ロボット
急速な高機能化が進んでいた液晶パネル。その生産面においては、高度なクリーン環境が求められ、真空内で処理する製造装置の重要性が高まっていました。ダイヘンは、ロボット制御技術を用いた新事業として、クリーンルーム内でシリコンウエハや液晶パネルを搬送するロボットを半導体製造装置メーカや液晶パネルメーカ向けに展開しました。
太陽光発電用パワーコンディショナ
パワーコンディショナは、太陽光パネルで発電された直流の電気を家庭等で使用できるよう交流に変換する装置です。太陽光発電の需要が見込まれる中、ダイヘンが得意とするインバータ技術、系統連系技術を活用しパワーコンディショナの生産を開始しました。
2000年代に入り、中国・アジアを中心とする新興国に積極的な事業展開を行い、世界No.1の溶接ロボットメーカの地位を確立。神戸市六甲アイランドにFAロボット事業部、溶接・接合事業部の拠点として六甲事業所を新設し、溶接ロボットの生産能力を大幅に増強しました。
ワイヤレス充電システム(高周波電源システム)
新たな社会インフラとして注目される、電源ケーブルを介さず非接触で電力を電気自動車(EV)等に供給するワイヤレス充電システム。ダイヘンは、得意とする高周波電源技術を応用し、将来の『走行中給電』にも対応可能なKHz帯からMHz帯までの幅広い周波数に対応できる、未来を先取りしたシステムの開発に成功。実用化へ向けた開発が加速しています。
ダイヘンは、1919年の創立以来、変圧器に始まり、溶接機やロボット、さらには半導体製造装置用の高周波電源など、時代の要請に応えた新しい価値の創造にチャレンジし、人々の暮らしの基盤となる電力供給やものづくりを支えてきました。
ダイヘンの事業の目的は「お客様に喜んでいただき、世の中のお役に立つこと」です。現在、世界では省エネや再生可能エネルギー導入のニーズが高まる中、太陽光発電やスマートグリッド分野にも積極的に進出。会社のあるべき姿として「エネルギーとパワーエレクトロニクスの応用分野でトップクラスの専門メーカとして『広く社会から選ばれる会社』」を掲げ、その活躍するフィールド、果たすべき役割をさらに大きなものへと進化させています。