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ニュースリリース・お知らせ 2022年度

2022年11月14日

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インバータ制御採用により約70%の省エネと大幅な生産性向上を実現
小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」、スタッドガン「GSK-221Ⅱ」販売開始

■要旨

株式会社ダイヘンは、インバータ制御をアークスタッド溶接機に採用することで約70%の省エネ(CO2削減)と大幅な生産性向上を実現する小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」とスタッドガン「GSK-221Ⅱ」を販売開始します。

小型アークスタッド溶接機「VRN-1200」は現在主に採用されているサイリスタ式溶接機と比較し約100kgの軽量化・小型化を実現しながらも耐久性に優れ、最大1200Aの出力に対応可能です。人間工学のノウハウを取り入れたスタッドガン「GSK-221Ⅱ」も合わせて、その性能の高さから主流となっている建築・橋梁業界に加えて、建機や造船・特殊車両業界等の他業界への展開も期待されます。

■開発の背景

アークスタッド溶接法は、建築・橋梁業界を中心に長年に亘り使用されている頭付きスタッドジベルやボルト、鉄筋等を溶接することに特化した溶接法で、誰でも簡単・短時間に高品質かつスパッタやヒュームの発生が少ないクリーンな施工が可能です。

一方、昨今の脱炭素社会の実現を目指した省エネ(CO2削減)ニーズの高まりと上記のようなアークスタッド溶接法が持つ高い信頼性により、近年では建築・橋梁業界に留まらず、製缶業界や特殊車両・建機業界等の他業界での導入も増えつつあります。このことから、従来よりも更なる省エネ性能と生産性向上を両立した溶接機が求められています。さらに、導入される業界が多岐にわたるため使用環境や作業者の習熟度を問わない使いやすさと連続使用にも耐えうる耐久性も重要視されています。

そこで当社は、これまでの製品開発で培った技術力を生かし、アークスタッド溶接機にインバータ制御を採用「省エネ性能」「生産性向上」「作業性向上」「作業負荷軽減(小型・軽量化)」「高耐久性(連続使用可)」など、あらゆる業界のニーズに応える最大出力1200Aの高品質なアークスタッド溶接機を開発しました。さらに、スタッドガンには当社の半自動溶接トーチの開発で積み重ねた人間工学のノウハウやケーブル内蔵技術等を取り入れ、更なる作業負荷軽減と断線リスクの低減を実現しました。

当社は、本製品市場投入によりアークスタッド溶接の更なる普及と適用拡大を目指します。

■製品の特長

  1. 高い省エネ性能(環境負荷低減)

    インバータ制御により溶接時のエネルギー消費効率が向上。従来機(サイリスタ制御式)と比較し、消費電力・CO2排出量を約70%削減可能。

  2. 小型・軽量、連続施工が可能な耐久性(高使用率)

    当社製 従来機比約30%減の小型化、100kg減の大幅な軽量化(160kg→60kg)により製造現場での移動や運搬時の作業負荷を軽減。さらに、使用率を従来機の3倍となる12%と大幅に向上し、太径スタッド(M16)の連続施工が可能。タフな現場の作業効率化に大きく貢献。

  3. 業界初の直流手溶接モードを追加

    アークスタッド溶接モードに直流手溶接モードを追加搭載。アークスタッド溶接施工時、補修を要する場合やデッキプレート溶接施工の際にφ2.6~φ7.0mmの本格的な被覆アーク溶接が可能。1台2役で作業効率化に貢献。

  4. 使用者の作業負荷軽減と快適性を追求したデザイン・機能
    • ・スタッドガンのハンドル形状に人間工学のノウハウを取り入れ、手のひらとグリップの接触面を拡大。
      安定性と作業性を向上し作業負荷を軽減。
    • ・制御線が内蔵された一線式パワーケーブル採用により、あらゆる溶接姿勢であってもケーブルの引き回しを気にすることなく作業が可能。さらに、ケーブルの断線リスクの低減に繋がり耐久性も向上。
    • ・溶接電源の操作パネルに大きなデジタルメータを採用。視認性が良く、離れた場所からでも溶接条件などの確認が容易に可能。実電流や溶接時間、溶接本数を表示するアークカウンター等が表示でき、溶接品質管理にも活躍。
    • ・溶接条件(溶接電流:1A、溶接時間:0.01秒刻み)の精密設定に加え、溶接ステップごとに細かな調整ができ、ワークに合わせた最適な条件設定が可能。
    • ・条件記憶機能搭載により誰でも再現性のある高品質な溶接を実現。
    • ・最大50m離れた場所から無線で溶接条件の変更が行えるモバイルリモコンが使用可能。溶接現場での移動に伴う危険リスクの回避や作業工数を低減。
  5. 自動機やロボットによる自動化にも容易に対応

    ハンド用スタッドガンのハンドル部を交換するだけで自動機・ロボット用ガンへ変更可能。
    用途に応じて容易に自動化が図れ、更なる効率化に貢献。

■販売計画

販売開始 2023年1月
販売予定数 50台/年
メーカ希望価格 2,700千円(税抜き)
(アークスタッド溶接機「VRN-1200」2,200千円、
 スタッドガン「GSK-221Ⅱ」500千円)

■標準仕様

溶接電源形式 VRN-1200
定格入力電圧 200/220V (三相)
定格周波数 50/60Hz
定格入力 54kVA(51kW)
出力電流範囲 100~1200A
(手溶接 30~400A)
定格出力電流 1200A (手溶接 400A)
定格負荷電圧 30V (手溶接 36V)
最高無負荷電圧 109V
定格使用率 12% (手溶接 100%)
溶接時間範囲 0.01~2.00秒
外形寸法
(幅×奥×高)
345×633×580 (mm)
質量 60kg
スタッドガン形式 GSK-221Ⅱ
定格電流 1200A
定格使用率 4%
適用スタッド範囲 M6~M16
質量(本体のみ) 1.4kg

■本製品に関するお問い合わせ先

株式会社ダイヘン 溶接・接合事業部
TEL:0120-856-036