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ニュースリリース・お知らせ 2021年度

EV化で求められるマルチマテリアルの高品質接合に最適な溶接システムを開発

2022年02月16日

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EV化で求められるマルチマテリアルの高品質接合に最適な溶接システムを開発

■要旨

株式会社ダイヘンは、EVなどに活用が進む超ハイテン材やアルミなどのマルチマテリアルの高品質接合に最適な溶接システムを開発いたしました。

本システムは、極低スパッタ溶接システム「シンクロフィード溶接システム」の次世代モデルであり、自動車のEV移行に伴う軽量化によって求められる溶接部位の薄板化に代表されるような様々な金属接合の課題を解決する製品として大きく進化をいたしました。

これまでの極低スパッタ性能をさらに向上させたことは勿論のこと、溶接ビードの形成をコントロールすることで、ギャップ裕度を大幅に向上させ溶接の力強さと安定性、そして溶接ビードの外観にこだわり、美しく仕上げるしなやかさを兼ね備えました。また、建機や住宅建材など中厚板を扱う業界で求められる高電流溶接も可能とし、多彩なモードにより各種材質に適用できることで、マルチマテリアル化への対応をはじめ、様々な業界の社会課題の解決に貢献いたします。

■背景

二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素化」の流れが世界中で進んでおり、自動車業界においてはEVへのシフトが加速しています。重量のあるバッテリーを搭載したEVの航続距離を延長するためには、車体軽量化が不可欠となります。軽量化のためには車体に使われる素材の薄板化や、従来とは異なる超ハイテン材やアルミ材の採用が増えていることから、マルチマテリアル対応が求められています。また、構造の複雑化やワーク精度のバラつきによりギャップが拡大することはスパッタが多く発生する悪い条件となってしまうことから、これまで以上にスパッタの抑制と高品質な接合技術が求められます。

自動車だけでなく、建機や住宅建材などを含めた様々な業界が直面する課題に向き合い、これまで培ってきたダイヘンならではの技術を発展させ、さらに現場の課題を解決するための新しい技術を開発し融合することで、本システムが誕生いたしました。

■製品名

シンクロフィード・エボリューション

■主な特長(注 下線部分が新製品としての特長となります。)

シンクロフィード・エボリューション
シンクロフィード・
エボリューション

  1. スパッタ最大99%削減
    • ・幅広い電流域(50A~450A)で極低スパッタを実現
  2. 適用材料の拡大と高品質化

    新制御「プッシュアークプロセス」

    • ・自動車足回り部品などで使用されるハイテン材において、フラットで美しい幅広いビード形成が可能。
      ギャップ裕度と狙いずれ裕度が向上し、ワーク精度にばらつきがあっても安定した溶接を実現。
    • ・亜鉛めっき鋼板のブローホールを低減
    • ・くびれ予測によるスパッタ抑制学習機能で複数台同時溶接時のスパッタを大幅に抑制。極低スパッタと生産性向上を両立。

    新制御「シンクロフィードパルス」

    • ・周波数とパルス期間を自在に調整でき、外観品質が要求されるバイクのアルミフレームなどで美しいビード外観を形成。
  3. 簡単セットアップ・メンテナンス
    • 制御ケーブル類のコンポジット化で接続作業時間を95%短縮。
    • オートクリーニング機能でワイヤ送給部の清掃回数を90%削減。
  4. 高出力・高使用率で生産性向上
    • ・450Aの高電流域で溶込みと極低スパッタを両立
    • ・400Aでの使用率100%を実現。連続溶接が可能。
  5. お求めやすいLiteタイプの溶接システムもラインナップ

■販売計画

販売開始 2022年2月
販売予定台数 1,500台/年
メーカ希望価格 8,500千円(FD-B6セット価格)

■本製品に関するお問い合わせ先

株式会社ダイヘンFAロボット事業部 企画部
TEL:078-275-2008