【国内初】電気推進船向け大容量ワイヤレス充放電実証実験の実施について
2022年02月04日
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電気推進船向け大容量ワイヤレス充放電実証実験の実施について
■要旨
株式会社ダイヘンは、関西電力株式会社(以下、関西電力)および株式会社e5ラボとともに、関西ベイエリアにおける電気推進船の開発・普及促進に向けて、大容量ワイヤレス充電システム等の共同開発を進めています。
このたび、本開発が大阪府の「新エネルギー産業創出事業」に採択されたことを受け、関西電力とともに1月27日、28日の2日間、八軒家浜およびユニバーサルシティポート(大阪市)で電気推進船向け大容量ワイヤレス充放電実証実験を実施しました。
また、実証実験に先立ち、2025年の大阪・関西万博に向けて“船舶の電動化”機運をより高めることを目的とした関連イベント「水都大阪SDGs未来フォーラムVol.“0”」を開催しました。
■概要
2050年脱炭素社会の実現に向け、陸上モビリティのみならず国内物流の約4割を担う内航船等の「水上モビリティ」の電動化に向けた取り組みが課題となっています。水上モビリティの電動化にあたっては、水上(船着き場)での大容量充電が必要となりますが、海水による塩害や波・うねりに伴う揺れによるプラグイン作業の難しさといった特有の課題があり、それらを解決するための手段としてワイヤレス充電が求められています。
今回の実証実験では、電気推進船を模した観光船「アクアCielo」にバッテリーとワイヤレス充放電器(10kW)を搭載し、陸側と船側双方向の「ワイヤレス充放電実証実験」を行います。今後、実証実験で得られたデータの分析を通じて、電気推進船に最適な充電システムへの改良(大容量化・高速化)やエネルギーマネジメントシステムの構築に活用してまいります。
尚、水上で船と陸の双方向で行う大容量(10kW)ワイヤレス充放電実証実験は国内初※の取り組みとなります。
※当社調べ
■八軒家浜における実証実験の内容
【ワイヤレス充放電器】
- 実施事項
- ・陸側のワイヤレス充放電器から船に搭載した
バッテリーへの充電 - ・船側のワイヤレス充放電器から陸側のバッテリーへの充電
- ・(船から充電した)陸側のバッテリーから様々な電動機器への放電(活用)
- ・陸側のワイヤレス充放電器から船に搭載した
- 船舶をワイヤレス充電するメリット
- ・重量物となるケーブルやコネクタの接続にかかる作業が不要となり、作業員の負担を軽減
- ・コネクタの金属部位が錆びる塩害の影響を受けない
- ・漏電のリスク低減が図れる
- 今後の課題
- ・波・うねりに伴う揺れの影響を受けない充電位置自由度の強化
- ・船舶停泊中に満充電が可能となるレベルへの伝送可能電力大容量化・高速化
<イメージ図>
■お問合わせ先
株式会社ダイヘン 企画本部 経営企画部
TEL:06-7175-9580