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ニュースリリース・お知らせ 2020年度

D-Arc溶接法が『建築技術性能証明』を取得!

2021年03月12日

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D-Arc溶接法が『建築技術性能証明』を取得
建築鉄骨向けに適用範囲の拡大へ

■要旨

株式会社ダイヘンは、「D-Arc溶接法による高効率下向溶接接合」において、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明第20-16号、以下「本性能証明」)を取得しました。

当社では、2016年に高電流域の炭酸ガスアーク溶接において埋もれアークの安定化制御技術を開発、「深い溶け込み」と「高電流域でのアーク安定性」を両立する高能率アーク溶接システム「D-Arc」として販売を開始して以来、幅広い業界で厚板溶接の高効率化・高品質化を求めるお客様にご好評を得てまいりました。

しかし建築鉄骨業界においては、建築工事標準仕様書(以下、JASS6)の解説書(鉄骨工事技術指針・工場製作編)において入熱制限や開先形状が規定されているため、D-Arc溶接法の特長を活かした高効率な施工方法が適用できるのか判断できず導入に踏み込めない、といったお声を頂いておりました。

本性能証明取得により、建築鉄骨部材への溶接施工において所定の溶接品質を有することが証明されたことで、お客様に「安心」と「信頼」をご提供できるものと考えます。建築鉄骨分野での更なる普及により、溶接パス数の低減と高品質化を実現し、溶接施工の大幅な効率化に貢献してまいります。

■本性能証明における適用範囲の概要

溶込み種類 開先形状 裏あて金 溶接方法 溶接姿勢 適用板厚 適用鋼材
完全
溶込み溶接
レ形35°
ルートギャップ
2mm以上
有り 半自動溶接 下向 9~36mm SN490B
SN490C

■D-Arc溶接法適用のメリット

  1. 溶接時間を短縮

    D-Arc溶接法の埋もれアークにより、半自動溶接350~500Aの溶接電流域において一般的な溶接法と比べ深い溶込みかつスパッタの少ない溶接が可能となります。板厚19mmの厚板において、従来の直流モードでは6パス必要であったところを、D-Arcモードでは2パスと溶接回数を低減し、溶接時間を大幅に削減します。

  2. 広い適用範囲

    JASS6における規定範囲を包含しかつ適用範囲を拡大して性能証明を取得しており、溶接継手の狭開先化、溶接施工の効率化が図れます。

      JASS6 本性能証明 効果
    最小ルートギャップ 4mm 2mm 狭開先での施工が可能
    入熱上限 40kJ/cm 45kJ/cm 高入熱で効率的な施工が可能
  3. 高い溶接継手性能

    性能証明取得において実施した溶接確認実験で、日本鋼構造協会「標準試験マニュアル」の「標準性能」である吸収エネルギー27J(0℃)を満たすことが証明されており、証明用データとしては同マニュアルの「特別性能」である吸収エネルギー70J(0℃)を上回る結果が得られています。

■本製品に関するお問い合わせ先

株式会社ダイヘン 溶接機事業部
TEL:0120-856-036