ニュースリリース・お知らせ 2019年度

■要旨

株式会社ダイヘン(本社：大阪市、取締役社長 田尻哲也)は、溶接条件の自動設定を可能にした新機能「溶接ガイド」を搭載し、溶接の機能と性能が飛躍的に向上した直流パルスTIG溶接機「デジタルアルゴ DT300PⅢ」を新発売します。

■開発の背景

当社は、業界に先駆けて溶接機のデジタル化へ取り組み、1996年に制御回路部をデジタル化したパルスＭＡＧ溶接機を発売、2002年には新デジタル溶接機“Dシリーズ”の第一弾として「デジタルアルゴDT300P」を市場に投入いたしました。2011年には業界初となる溶接専用LSIを搭載した最新デジタル溶接機“ウェルビー”シリーズを発売するなど、様々なラインナップでお客様のご要望にお応えしてまいりました。その後も、“Dシリーズ”は小型・軽量なデジタル溶接機として、永らくのご愛顧を得ております。

この間、溶接施工現場を取り巻く環境は、熟練技能者の減少や労働人口減少による技能後継者の不足、またグローバル競争が進む中で生産性や品質の更なる向上など、様々な課題がございます。

そこでダイヘンは、技能の習熟度に関わらず高品質な溶接を可能とする機能や、溶接作業の効率化をサポートする機能を搭載した「デジタルアルゴDT300PⅢ」を新発売いたします。

■製品の特長

1. 熟練技術を再現可能とした新機能
   10A以下の電流域で0.1A刻み（従来機1A）の電流設定が可能となり、条件合わせの難しかった極薄板の溶接でも最適な溶接条件設定が可能となります。
   パルス周波数が1000Hz（従来機比2倍）まで設定可能となり、低電流域にてアークの集中性が向上。薄板の溶接においても運棒がしやすいため、ビードのそろいが良く、焼けも少ない溶接を実現します。
2. 溶接設定ガイド機能により、溶接条件出しがより簡単に
   「溶接設定ガイド機能」で、4つの条件（電極径、母材材質、溶接継手形状、母材板厚）を設定するだけで、溶接電流、初期電流、クレータ電流などの条件合わせを溶接機が自動的に行います。これにより、溶接条件調整が容易になり、効率化を実現します。
3. TIGインターバル機能の新規搭載
   TIGインターバル機能とは、トーチスイッチをON/OFFする操作なしで、出力中にアークのON/OFFを繰り返し行い、入熱を制御する機能です。
   トーチスイッチ操作を必要としないため、溶接技能者の負担を軽減します。
   また、溶接技能者の習熟度に関わらずより安定した溶接が可能になります。

■販売計画

1. メーカー希望ご需要家様価格

空冷仕様 4mトーチセット価格：793,500円(税抜)

<構成>

・溶接電源

DT-303P

・溶接トーチ

AWD-26

・ガス流量調整器

FR-1A

・ケーブル、ホース類

一式

2. 発売日

2019年9月

3. 販売目標

2000台／年

■本製品に関するお問い合わせ先

株式会社ダイヘン　溶接機事業部　企画部
TEL：078-275-2005　FAX：078-845-8199