交直両用パルスTIG溶接機「Welbee Inverter A350P」を新発売!
平成29年11月14日
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【業界初】交流周波数500Hz最小電流5Aでアルミ極薄板の高品質溶接を実現
交直両用パルスTIG溶接機「Welbee Inverter A350P」を新発売!
■要旨
株式会社ダイヘン(本社:大阪市、取締役社長:田尻哲也)は、独自開発の溶接制御専用LSIを搭載した「Welbee Inverterシリーズ」に、精密な入熱制御が可能でアルミ極薄板の高品質溶接を実現、厚板の高能率溶接にも対応した交直両用パルスTIG溶接機「Welbee Inverter A350P」を新たにラインナップします。
■開発の背景
当社は、業界に先駆けた溶接機デジタル化の取り組みとして、2010年に独自開発した溶接制御LSI「Welbee(ウェルビー)」を搭載する「Welbeeインバータシリーズ」の販売を開始し、溶接に対する要求品質の高度化や品質管理におけるIT化などお客様の様々なご要望にお応えするべく、ラインナップの拡充を図ってまいりました。この度、アルミやマグネシウム合金の高品質溶接に用いられる交流TIG溶接モードを搭載した交直両用パルスTIG溶接機「Welbee Inverter A350P」の販売を開始いたします。これにより、「Welbeeインバータシリーズ」が待望のフルラインナップとなります。
昨今では、環境配慮の取り組みから各種構造物や部品の軽量化を目的とし、アルミなどの軽量材質の採用が増えるとともに薄板化が進んでいます。アルミ薄板を高品質に溶接するためには、交流TIG溶接法において交流周波数を高めアークの集中性を向上させるとともに、低電流域でのアーク安定性を向上させる必要がありましたが、これまでの制御方法では交流周波数を高めると低電流域でのアークが不安定になるといった課題がありました。
このような背景から当社では、溶接制御LSI「Welbee」の超高速サンプリングによる緻密な波形制御により、業界で初めて交流周波数500Hzにおいて安定したアークを実現しました。また、電極と被溶接物の極性切り替えが繰り返される交流溶接においても、低電流域のアーク安定性を向上させ最小設定電流5Aを可能としました。これにより、精密な入熱制御が必要なアルミ極薄板においても、高品質な溶接を実現しました。
■製品の特長
- アルミ極薄板の高品質溶接を実現
最大交流周波数を従来機200Hzから500Hzへと拡大させてアークの集中性を高めました。また、低電流域のアーク安定性を向上させ、最小交流設定電流を従来機10Aから5Aとしました。より精密な入熱制御を可能とすることで、板厚0.2mmの極薄板アルミのヘリ溶接といった難易度の高い溶接においても、高品質化を実現します。 - 定格出力、使用率をアップさせ、厚板の高能率溶接にも対応
定格出力電流を従来機300Aから350Aへと拡大(約17%増)させました。これにより、アルミ溶接において最大板厚8㎜まで適用可能となります。さらに、連続溶接が可能(使用率100%)な溶接電流を従来機190Aから270A(約42%増)まで拡大しており、溶接機の稼働率アップに寄与します。 - 「溶接ガイド」機能搭載で溶接条件を自動設定
4つの条件(電極径、母材材質、溶接継手形状、母材板厚)を設定するだけで、「溶接電流・初期電流・クレータ電流」などの溶接条件合わせを溶接機が自動的に行います。これにより、溶接条件調整が容易になり、溶接作業の効率化が図れます。 - アルメガフレンドリーシリーズとの組み合わせで、能力を最大限に発揮
当社のロボット、アルメガフレンドリーシリーズと組み合わせれば、トーチのウィービング動作とパルス条件を同期させるシンクロTIG機能(オプション)にも対応します。これにより、溶け落ちを防止するとともに美しいうろこ状の溶接ビードが形成でき、人手に頼っていたTIG溶接工程のロボット化を推進します。
■販売計画
1. メーカー希望ご需要家様価格
一式:1,119,300円
-冷却水循環装置使用 水冷仕様- | |
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・溶接電源 | WB-A350P |
・溶接トーチ | AWD-18(ケーブル長4m) |
・冷却水循環装置 | PU-301 |
・ケーブル、ホース類、ガス流量調整器 一式 |
2. 発売日
2017年10月出荷開始
3. 販売目標
2000台/年
■本製品に関するお問い合わせ先
株式会社ダイヘン 溶接機事業部 企画部
TEL:078-275-2005 FAX:078-845-8199