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ニュースリリース・お知らせ 2017年度

世界初!高速電力線通信(HD-PLC)に対応した変圧器の基礎技術を確立

平成29年07月24日

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世界初!高速電力線通信(HD-PLC)に対応した変圧器の基礎技術を確立

■要旨

株式会社ダイヘンは、高速電力線通信「High Definition Power Line Communication(以下、HD-PLC)」に対応した変圧器の基礎技術を世界で初めて確立いたしました。

現在、HD-PLCの適用範囲は分電盤から各機器の間のみに制限されていますが、経済産業省より新事業の迅速な創出を目的とした「レギュラトリー・サンドボックス」制度導入が提言されており、今後電波法の規制が緩和されることでHD-PLCの適用範囲が大きく拡大することが予想されます。

当社は当該技術の実用化に向けた本格的な検証を進め、今後拡大化していくHD-PLCに対応する変圧器の製品化を通じてIoT社会の発展に貢献致します。

■開発の背景

通信インフラの構築には、イーサネット(Ethernet)や無線LANが一般的に用いられていますが、イーサネットはネットワーク敷設にかかる高額な工事費用、無線LANは他機器からの電波干渉やセキュリティの脆弱性という課題があります。

一方、HD-PLCは既存電力線を活用して通信を行うため、ネットワーク工事費用を削減でき、かつセキュリティ性も高いことから、IoT社会におけるインフラ基盤技術として注目を集めています。

現在、電波法によりHD-PLC(周波数2~28MHz)の利用は屋内と分電盤から各機器間のみに規制されていますが、2018年には技術実証時に一時的に規制を取り払い新事業を迅速に育成する「レギュラトリー・サンドボックス」制度導入が経済産業省から提言されており、HD-PLC利用範囲の拡大に向けた各所での実証の進展が見込まれます。HD-PLCの適用範囲が拡大することにより、例えば、工場の既設電力線を活用した低コストでの生産設備等の稼働状況の「見える化」実現や、既存の電柱等にカメラ・センサー等を設置した安価な防犯サービスといった新ビジネスの創出が想定されています。

配電線などの既存電力線に設置されている変圧器がHD-PLC信号を減衰させるため、HD-PLC利用範囲拡大の大きな課題の1つとされていました。当社はこれまで培った変圧器設計技術および通信技術により、「HD-PLC対応変圧器」の基礎技術確立に成功しました。

今後、高速電力線通信推進協議会(PLC-J)やHD-PLCアライアンス、高速PLC技術実証研究会といった業界団体・アライアンス企業と連携し、「レギュラトリー・サンドボックス」制度を活用して実用化に向けた本格的な検証を進め、HD-PLCを活用した新市場・ビジネス創出に貢献いたします。

■特長

  1. 従来の変圧器(HD-PLC未対応)比で通信速度が約2倍に向上(社内ラボ評価)
    社内ラボでの評価では、従来の変圧器(HD-PLC未対応)と比較して、平均約30Mbps改善し通信速度が約2倍向上することを確認しました。
  2. 従来と同等の耐電圧性能を実現
    これまで高耐電圧に対応しつつHD-PLC信号の減衰を極力抑えることが技術的障壁と考えられていましたが、従来の変圧器と同等の耐電圧性能を確保しました。

■本件に関するお問い合せ先

株式会社ダイヘン 産業電機事業部 企画部
TEL:06-6390-5553