ニュースリリース・お知らせ 2017年度

■要旨

株式会社ダイヘン（本社：大阪市、取締役社長：田尻哲也）は、ダイヘン独自開発の溶接制御LSI「Welbee（ウェルビー）」を搭載した「Welbee Inverterシリーズ」の最上位機種である、交直両用パルスMAG/MIG自動溶接機「Welbee Inverter W350」を新発売いたします。

本溶接機で採用されているダイヘン独自の交流パルス溶接法は、被溶接物（以下、ワーク）への入熱とワイヤ溶融量を制御することができ、これまでTIG溶接が適用されていたアルミ極薄板（板厚1mm）の溶接において、高能率・高品質化を実現します。また、ギャップのあるワークにおいて、溶け落ちのない高品質な溶接が可能となります。

■開発の背景

自動車業界を中心に、各種構造物や部品の軽量化を目的とし、アルミなどの軽量材質の採用が増え薄板化が進んでいます。しかし、アルミは、素材の持つ特性から溶け落ちやひずみが発生しやすく、一般的な軟鋼の溶接と比較して高度な溶接施工技術が要求されます。そのため、板厚1mmといった極薄板のアルミを溶接する場合、通常はワークへの入熱制御が比較的容易なTIG溶接が適用されますが、MIG溶接と比較して溶接速度が遅く能率があがらないなどの課題があります。

また、生産効率を高めるためにワーク固定方法の簡素化が求められており、ギャップのあるワークの溶接やひずみの少ない溶接など、高度で高品質な溶接が必要とされています。

このような背景から当社では、「Welbee Inverterシリーズ」の最上位機種として、薄板やギャップのあるワークの溶接に最適なダイヘン独自の交流パルスモードを搭載した、交直両用パルスMAG/MIG自動溶接機「Welbee Inverter W350」を販売開始いたします。

■主な特長

1. 極薄板の溶接や、ギャップのあるワークも、高能率・高品質化を実現
   ダイヘン独自の交流パルス溶接法では、EN比率を変化させることでワークへの入熱とワイヤ溶融量をコントロールすることが可能です。これにより、これまでTIG溶接でしかできなかったアルミ極薄板（板厚1mm）を高品質かつ高能率に溶接が可能となります。また、ギャップのあるワークでも溶け落ちのない溶接を実現します。
2. アルミ・軟鋼・ステンレス、様々な材質で高品質溶接が可能
   アルミ・軟鋼・ステンレス向けの交流パルスモードや、軟鋼・ステンレス向けの直流モードを搭載するなど、様々な材質の、幅広い用途に適用が可能です。交流パルスモードでは、それぞれの材質に最適な波形制御を採用しており、高品質な溶接を実現します。
3. 進化したウェーブパルスで欠陥の少ない高品質溶接が可能
   ダイヘンの特許技術「ウェーブパルス溶接法」が更に進化しました。溶接電流とワイヤ送給速度を同期し、周期的に変化させることで、ブローホールが発生しやすい亜鉛メッキ鋼板の溶接でも、欠陥の少ない高品質溶接を実現します。またアルミ溶接においては、職人によるTIG溶接のような美しいうろこビードを自動溶接で形成できます。
4. 出力アップにより、中板厚まで高能率な溶接を実現
   従来機から出力電流がアップ（300A⇒350A）しており、極薄板から中板まで幅広い用途に適用が可能です。また、100%使用率時の出力電流も300Aにアップしており、稼働率が飛躍的に向上します。

■販売計画

■製品に関するお問い合わせ先

株式会社ダイヘン　溶接機事業部　企画部
TEL：078-275-2005　FAX：078-845-8199