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ニュースリリース・お知らせ 2016年度

バーチャルパワープラント構築に向けた太陽光発電および蓄電池システムの運用開始

平成29年02月23日

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バーチャルパワープラント構築に向けた太陽光発電および蓄電池システムの運用開始

■要旨

株式会社ダイヘンは、この度バーチャルパワープラント(以下、VPP)構築に向けた、太陽光発電および蓄電池システムをダイヘンテック株式会社(大分県杵築市)に設置し運用を開始しました。

今後、今回設置したシステムと当社十三事業所(大阪市淀川区)に既に導入している太陽光発電および蓄電池システムを用いて、世界初の自律分散協調制御「Synergy Link※1」によりそれぞれのシステムを効果的に統合制御してVPP構築に向け様々な実証を本格的に開始します。

本実証を通じて、広いエリアでエネルギー利用を最適化し、電力系統における需給調整力の増強や再生可能エネルギーのさらなる導入も可能とする、新たなエネルギーマネジメントの実現を目指します。

■背景

当社は、これまで太陽光発電用パワーコンディショナで培ってきたインバータ制御技術により、平成28年2月に太陽光発電と蓄電池を組合わせた変電設備パッケージ「DISOLA POWER STRAGE PACK」、続いて同年12月には大容量蓄電池用パワーコンディショナを発売し、工場やビル向けのエネルギーマネジメントシステム(以下、EMS)用途のラインアップを揃えてまいりました。

また、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「VPP構築実証事業※2」に関西電力株式会社をはじめ、当社も含めた14社共同で申請し、平成28年7月に採択されました※3。尚、今回設置したシステムは「VPP構築実証事業」の補助金を受けております。

■実証の概要

  1. 離れた拠点間でのエネルギー統合制御
    離れた拠点(大分、大阪)に設置されたそれぞれのシステム(蓄電池、太陽光発電)を実系統に繋がった状態で運用することが可能となり、これら複数拠点の電力供給を統合制御する実証を進めてまいります。
  2. EMSの最適運用
    蓄電池システム2基、自家消費型の太陽光発電システム1基の独立したシステムを自律分散協調制御「Synergy Link」により統合制御して、実稼働する工場の電力消費のピークカットやデマンドレスポンスおよび、非常時の自立運転などにおける最適な運用を実証します。

複数拠点の電力供給を統合制御

≪場所≫
ダイヘンテック株式会社構内 (大分県杵築市)
≪設備≫
➀太陽光発電システム
・DISOLA PACK NEO 500kW
・太陽光パネル102kW(380枚)
②蓄電池システム(250kWh)
・蓄電池用パワーコンディショナ250kW(B250JHL2-A01)
・リチウムイオン電池 250kWh
③蓄電池システム(80kWh)
・蓄電池用パワーコンディショナ250kW(B250JHL2-A01)
・リチウムイオン電池 80kWh

■広報・取材に関するお問い合わせ

株式会社ダイヘン 営業企画部
TEL:06-7175-9580

※1 自律分散協調制御「Synergy Link」 当社はVPP構築における分散電源の統合制御の手段として、自律分散協調制御技術「Synergy Link」を開発しました。「Synergy Link」は従来型の「集中管理制御」のように高機能な中央管理制御装置を使用することなく、上位系装置(例えばクラウドシステム)からシステム全体の出力合計値を目標値に誘導するための「プライス」を各機器に提示するだけで、各機器がプライスと制約条件から自律的に出力値を決定し、結果的に最適なシステム全体の出力状態へと導くことができる全く新しい制御技術です。
従来の「集中管理制御」によるシステムは、中央管理制御装置が各機器の目標値を決定するために、中央管理制御装置と各機器との相互通信および複雑かつ高速な制御演算が不可欠となります。導入時に高額な投資を行った後でも、設備増設時には情報量が増加し、結果として通信インフラの増強や大幅な制御ソフトの変更が必要となり、機器の増設・構成変更等が困難になるといった課題があります。
需要家に設置される膨大な機器の統合制御を行うVPP構築においても、従来の「集中管理制御」では導入・管理・拡張に膨大なコストが見込まれますが、ダイヘンが提案する「Synergy Link」はこれらの課題を解決いたします。
この「Synergy Link」はあらゆるエネルギーマネジメントシステムにおいて有効であると考えており、工場・ビル等の多数台の電源設備を統合しての省エネ・節電、またメガソーラー等の再生可能エネルギーを統合制御しての出力調整など、様々なお客様のお役にたてる技術であると考えております。

※2 VPP実証事業
本実証事業は、アグリゲータと呼ばれるVPP事業者が、系統に点在する需要家の電源設備をIoT化(モノのインターネット化)技術により遠隔で監視・制御し、数多くの電源設備を統合制御することで、あたかも一つの発電所のように機能させ需給調整を行う、VPPの構築、事業化を目的とした実証事業です。

※3 14社共同の実証事業参画について
ニュースリリース参照 (2016年7月28日):https://www.daihen.co.jp/newinfo_2016/news_160728.html