AGV向けに高効率で安全なワイヤレス充電システムを開発
平成26年12月18日
株式会社ダイヘン(本社:大阪市、取締役社長:田尻哲也)は、無人搬送機AGV(Automated Guided Vehicle)向けとして、業界で初めて自動整合回路搭載の磁界共鳴方式を用いたワイヤレス充電システムを開発し、2015年度より販売開始いたします。
現在、自動化ニーズの高まりにより、AGVなどの工場内無人搬送機器の導入が増加しています。
従来のバッテリ充電方式では、充電のためのバッテリ交換作業に労力がかかり、充電部分に接触する危険性もありました。また、接触タイプの自動充電機器も製品化されていますが、接触部分(コンタクト)の摩耗や、接点の精度により充電効率が低下するなどの課題がありました。
ダイヘンはこれまでに半導体製造プロセスにおけるプラズマ発生用電源開発で培った高周波電力制御技術を応用し、業界初となる独自の自動整合回路を搭載した磁界共鳴方式の採用により、電磁誘導方式に比べて送受電コイル間の伝送距離や軸ズレ許容度を大幅に向上したワイヤレス充電システムを開発しました。充電部分の位置合わせの自由度が高い高効率な充電を実現し、これにより搬送ラインの設置を容易としました。
また、負荷インピーダンス(抵抗)や電力値をリアルタイムで計測できるセンサを内蔵し、送受電コイル間の位置変化に応じた制御を行うことで高い充電効率を維持するだけでなく、送受電コイル間の異物や大きな軸ズレなどの異常を充電システムが判断して充電を停止し、安全性を確保します。
ダイヘンは、高効率で安全なシステムで今後もワイヤレス給電ソリューションを拡大していきます。
主な仕様・特長
- ●ワイヤレス充電システムは高周波電源、送電コイル、受電コイル、充電回路の構成
- ●85kHz帯1~5kW、13.56MHz帯1~5kWのシステム構築が可能
- ●磁界共鳴方式の採用と自動整合回路の搭載により、当社85kHz帯5kW機で伝送距離最大100㎜、
軸ズレ許容最大100㎜を実現。(電磁誘導方式では一般的に伝送距離、軸ズレ許容とも10~15mm程度) - ●既設AGVにも後付可能