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溶接Q&A 気づきにくい溶接トラブル

Q4. 延長ケーブルで起きるトラブルについて教えてください。

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溶接の電流、電圧を遠方の溶接部に供給するために、溶接ケーブルを長く(延長)することは多々あります。溶接電流は大きな電流であるため、溶接ケーブルで発生する電圧の影響も大きくなります。
溶接のケーブルが細いと(電気抵抗が大きいと)、電流が流れる際の電圧降下が大きくなります。電圧降下は、抵抗×電流で求まります。溶接の電流は溶接機の平均電流のメータでは溶接中だいたい一定に見えますが、溶極式のアーク溶接では1/1000秒以下の時間で溶接電流を見ると、瞬間的に平均電流の2倍以上流れることもごく普通にあり、その際は数Vから10Vを超える電圧降下が発生します。
溶接をケーブルをぐるぐると同じ方向に巻いたままで溶接電流を流し、電流が変化するとリアクトルという電気成分で電圧が発生します。リアクトル成分は延長ケーブルの長さやグルグル巻きの量によって大小さまざまに変化します。この電圧も数Vから10Vを超える電圧降下が発生します。

溶接電源の内、特に溶極式のインバータ電源は、溶接の状態を溶接電圧を高速に監視して、溶接が良くなるように制御しております。延長ケーブルが細く、長く、ぐるぐる巻きの状態で溶接すると、溶接アークの電圧ではない溶接ケーブルの電圧を含んだ情報で制御しますので、最悪の場合、溶接電源の制御が誤動作する場合もあります。溶極式では「パンパン」とワイヤが突っ込むような状態や、逆にアーク長が長くなって、アークが燃え上がる、スパッタが多量に発生するなど様々な症状が出ます。

延長ケーブルで起きるトラブルの対策をする場合
使用したい溶接電流や延長したい長さに合わせた、適切な太さの溶接ケーブルを使用する。
ぐるぐる巻きはしない。巻く場合は途中から半分逆巻きにして重ね合わせる。
溶接電圧直接検出線を備える溶接電源では、溶接電源の取扱説明書に記載されたガイドに従い直接検出を使用する。
など、ございます。
詳しくは、溶接電源の取扱説明書等にも記載されております。そちらもご参考になさってください。

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