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電力機器Q&A 使い方・構造

Q23. 高調波を含む負荷を使った場合の変圧器の影響は?

変圧器の二次側で高調波を含む負荷を使った場合、次のような影響が考えられます。

1.騒音の増大及び異常音の発生
変圧器の二次側で高調波を含む負荷を使うと電源側にも高調波電流が流れ、電源電圧に歪みを生じさせ、高調波電圧となって鉄芯に高調波の影響が現れます。その際、比較的高い音(「ジー」「ビー」「チチチ」など)が発生し、音圧レベルも高くなり騒音値が数ホン~十数ホン程度増える場合もありますが、直接には機器の損傷になる可能性は少ないと言えます。

2.負荷損失の影響
電流に高調波が含まれると導体の表皮効果(電流の流れが導体の表面に集まる現象)の影響による銅損が増加します。その他、漂遊損(漏れ磁束による損失)も増加しますが、高調波歪みがさほど大きくなければ問題になる値にはなりません。しかし高調波の含有率が大きくなると実効値は増加するので、変圧器の容量選定にあたっては注意する必要があります。

3.無負荷損失の影響
無負荷損失の大部分である損失はヒステリシス損と渦電流損に分離されます。このうち渦電流損は周波数の影響を受けますが、この場合も電源高調波歪みがさほど大きくなければ問題はありません。

以上のように、負荷側に高調波を含む負荷があると強制的に高調波電流が変圧器に流れることになり、騒音の増大、表皮効果による負荷損の増大を伴うことになりますが、一般には騒音に関する問題が主となります。