ニュースリリース・お知らせ | 株式会社ダイヘン

2023年10月30日

【業界初】アーク溶接用途に最適な協働ロボット「FD-VC4」販売開始

■要旨

株式会社ダイヘンは、アーク溶接用途に最適な業界初の協働ロボット「FD-VC4」を販売開始します。

■開発の背景

近年、工場をはじめとするモノづくりの現場では、作業者の高齢化などに起因する労働力不足解消や更なる生産性向上を図ることを目的として、ロボット導入による自動化ニーズが高まっています。センサやシミュレーション技術の向上により産業用ロボットが飛躍的進化を遂げている一方、非常にハイスピードかつハイパワーで動作するため、安全柵の設置が法的に義務付けられており、特に中小企業の現場では設置するスペースの確保が難しく、ロボットの導入を断念しているケースが多々あります。

また、多品種少量生産の現場や船舶・橋梁などの大型構造物の製造現場では、製品を加工する場所が複数点在することから、都度生産ラインを変更するなど柔軟な生産体制が求められています。

以上のような背景により、安全柵が不要で移設が容易な協働ロボットに注目が集まっていますが、現在普及している協働ロボットでは、需要が高まる溶接用途において使用できる範囲が限定的です。ロボットの動作範囲における軌跡精度が十分でない、TIG溶接のような高周波が発生する場合の耐ノイズ性能、溶接時に発生する金属粒（スパッタ）に耐えうる環境性、ロボットを教示（ティーチング）する際の手間、様々な溶接に対応するアプリケーション機能が搭載されていないなど、多くの課題があります。

そこで当社は、長年にわたり蓄積してきた溶接に関する知見・ノウハウ・技術力を結集し、お客様のあらゆるニーズに応える業界初^※のアーク溶接用途最適協働ロボットを開発しました。本製品は用途に応じて当社が保有するすべての溶接法・アプリケーションに適応可能なことに加え、高軌跡精度により産業用ロボットと同等の高品質溶接を実現します。さらに、コンパクト設計かつ容易に移設が可能なことから、手狭な現場や多品種少量生産を行う現場などでもロボットが溶接対象物（ワーク）にアプローチすることで容易に自動化が図れます。

※自社調べ

■特長

業界唯一の高品質溶接
- ・アーク溶接に最適な高軌跡精度により安定した高品質溶接を実現
- ・協働ロボットでは困難な直線・円弧などの軌跡精度も大幅に向上、様々な用途に対応可能
- ・TIG溶接など、高周波ノイズが発生する溶接でも安心して使用できる高い耐ノイズ性
あらゆる溶接ニーズに応える様々な便利機能
- ・当社が保有するすべての溶接法やアプリケーションが使用可能
  ＜溶接法＞
  CO2/MAG溶接、MAGパルス溶接、シンクロフィード溶接システム、Plasma Jet TIGなど
  ＜溶接アプリケーション＞
  タッチセンサ機能、アークセンサ機能、ウィービング機能、オフラインティーチングシステム、各種溶接トーチなど
- ・可搬重量が同クラスの協働ロボットで最大級の動作領域
- ・コンパクトなアーム設計により狭いエリアにあるワークへロボットの移設が可能
- ・台車タイプと作業台タイプにより溶接箇所が点在する現場に対応
- ・溶接箇所が点在する現場や生産負荷が高い場所の負荷調整などにも活躍
溶接現場に最適なティーチング
- ・タブレットによる写真撮影だけで教示プログラムを自動生成する「教示レスシステム」、ゲーム機感覚でロボットの操作が可能な「直感型操作ペンダント」と組み合わせることにより初心者でも簡単に熟練者並みの教示が可能
- ・ロボットの教示時間が大幅に短縮可能
- ・ワークの位置などにより「ダイレクトティーチ」では困難な環境でも容易に教示可能
教示レスシステム
「Photo Touch Teach™」

直感型操作ペンダント
「JoyPEN」
耐環境性・安全性
- ・スパッタが飛散する溶接環境下でも安心して使用できる耐環境性
- ・予め設定した接触検知レベルを越える力を検知すると自動停止する安全設計
- ・手や指の挟みこみを防止する角の無いアーム形状、デザイン
安全を考慮したデザイン
導入後のサポート
- ・溶接機、協働ロボットから周辺機器まですべて自社生産のため一括（パッケージ）での納入が可能
  万が一のトラブル発生時も迅速な復旧が可能
- ・当社が標準提供している「リモートメンテナンスサービス」による遠隔でのロボットの状態確認や迅速なサポートで安心・安全に使用可能